IoTプラットフォーマーの狙いとは

──IoTプラットフォームを商品化する企業が目指すのは課金による収入でしょうか。

高安氏:課金よりも、大切なのはデータではないでしょうか。IoTプラットフォームはIoTの中核です。IoTの時代はデータを集めるほど、次の展開へ向けたフィードバックができる。つまり、顧客との情報利用の契約を結ぶことが前提ですが、顧客に対して「現状がこうだから、次にこう考えましょう」というソリューションを提案できるのです。言ってしまえば、課金収入だけでは「おいしくない」のです。

 分かりやすい例を挙げましょう。エアコンやサーモスタットなどを介して消費電力に関するデータを得ることができれば、電力を供給する企業に対して、より精緻なピーク電力を伝えることができる。すると、その企業はより小さな発電所を造るだけで済み、投資額を減らすことができます。

 IoTの時代は「データを握っているところが最も強い」と言われています。産業機器でもクルマでも家電製品でも、いろいろなデータを得ることで、それを基に付加価値の高い製品やサービスを提供できる可能性があります。データで人の動きを把握すれば、そこに新たなビジネスを起こすチャンスが見えてきます。こうした背景から、工作機械メーカーや設備機器メーカーであってもIoTプラットフォームを提供しようという動きがあります。

 IoTプラットフォームを提供する企業は、課金で儲けるよりも、顧客へのソリューションにつながるデータを得ることにより、IoT時代のビジネスリーダーになることができます。