旅の目的はIronman Oceanside 70.3に出場するためです。MITとALAPAの混成チーム。白戸太郎氏とサン・ディエゴに移住した湯本優氏という豪華コーチ陣にご指導いただき、大会前の調整を行いました。
旅の目的はIronman Oceanside 70.3に出場するためです。MITとALAPAの混成チーム。白戸太郎氏とサン・ディエゴに移住した湯本優氏という豪華コーチ陣にご指導いただき、大会前の調整を行いました。

 みなさまごきげんよう。
 フェルディナント・ヤマグチでございます。

 今回のヨタは、カリフォルニアはサン・ディエゴよりお送りします。(編集部注:本記事は日経ビジネスオンラインからの再録のため、掲載時期が異なっております)

 気候温暖にして湿度低し。こちらは泳ぐにしても走るにしても本当に環境が良い。こんな美しい公営プールも整っています。

 今回の大会では、バイクのパンクに2度も泣かされました。そして危うい所を2回とも親切な人に救って頂きました。

 まずはこちら。遠乗りに出たら路上のガラス破片を踏んでしまい後輪がバシュッとパンク。スペアと交換し、Co2ボンベで空気を充填しようとするも、手際が悪く空打ちしてしまい、見るからに圧力不足の状態で、とても走れる状態ではありません。

仲間も空港の預け荷物検査で没収されてしまい予備のボンベがない。途方に暮れていたら、通りがかった親切な女性が「どうしたの?大丈夫?」と。
仲間も空港の預け荷物検査で没収されてしまい予備のボンベがない。途方に暮れていたら、通りがかった親切な女性が「どうしたの?大丈夫?」と。

 貴重な予備のボンベを貸して頂き、「ここら辺は金属片が落ちているから、少し車道に出て走ったほうが良いわよ」とアドバイスを頂きました。カトリーヌさんという美人さんでした。そして修理が終わると、「レース頑張ってね。私も見に行くわ」と言い、エラいペースで颯爽と走り去っていかれました。カッコええなぁ……。

 更に不幸は続きます。大会当日。スタート直前のセットアップでタイヤに空気を足していたら、今度は前輪がバシュッとパンク。前輪にもガラスが残っていたのでしょうか。慌ててサービステントに駆け込みましたが……。

あーこりゃパンクだね。予備のタイヤが有れば変えてあげるよ。何?持ってない。困ったね。クリンチャーのチューブならあるけど、ウチらもチューブラーは用意していないよ、と。
あーこりゃパンクだね。予備のタイヤが有れば変えてあげるよ。何?持ってない。困ったね。クリンチャーのチューブならあるけど、ウチらもチューブラーは用意していないよ、と。

 スタートの時間は刻々と迫る。スペアのタイヤは昨日のパンクで使ってしまった。いよいよ進退窮まった、と途方に暮れていたら、「そんなら俺のタイヤを貸してやるよ」と。サービスの大将がバンからホイールを持ってきてくれて、「これ使いな」と。「わざわざ日本からレースに来てくれて、パンクで出走出来ないんじゃいくらなんでも可哀想だからな」とウインクする。

 しかもレース中は交換した私のホイールを預かって下さり、「あんたが走っている間に元に戻しといてやるよ」とまで言う。何という大サービス。せめてものお礼にと緊急用に持っていたドルを差し出すも、「カネは受け取れない。レースを楽しめ」と。

 実はここ数日来の腰痛で、今回は痛くなったら無理せずリタイヤしようと思っていたのですが、こうなりゃご恩に報いるために腰骨が折れてでも走り切らなくちゃなりません。

人の情けが身に沁みました。お名前を聞き損じましたが、本当にありがとうございました。
人の情けが身に沁みました。お名前を聞き損じましたが、本当にありがとうございました。
みなさまのご支援により、無事に走りきることが出来ました。ですが結果は徹底した練習不足と不摂生が祟り6時間切りがようやっと。練習します。
みなさまのご支援により、無事に走りきることが出来ました。ですが結果は徹底した練習不足と不摂生が祟り6時間切りがようやっと。練習します。
大会は多くのボランティアに支えらえて運営しているのですが、中でもこの子達は凄かったな。預け荷物の引き渡し場所でお手伝いをしていたお嬢さんたち。まるでゲームを楽しむように掛け声をかけて、手際よく荷物を持ってきてくれる。余りのテンションの高さに、「あなた達は何のグループなの?」と聞いたら、「私達、地元のサッカーチームよ。選手のみんなが気持ちよく走れるように、チームでお手伝いしているの」と。いや、オジサン涙が出ましたぞ。
大会は多くのボランティアに支えらえて運営しているのですが、中でもこの子達は凄かったな。預け荷物の引き渡し場所でお手伝いをしていたお嬢さんたち。まるでゲームを楽しむように掛け声をかけて、手際よく荷物を持ってきてくれる。余りのテンションの高さに、「あなた達は何のグループなの?」と聞いたら、「私達、地元のサッカーチームよ。選手のみんなが気持ちよく走れるように、チームでお手伝いしているの」と。いや、オジサン涙が出ましたぞ。
せっかくサン・ディエゴに来たのだから、トライアスロン関係の地元企業を見学に行ってきました。<a href="http://zootsports.com/" target="_blank">ZOOT社</a>は、世界で初めてトライアスロン専用のウェアを作ったメーカーなのだそうです。ブランドマネージャーのショーンさんと。
せっかくサン・ディエゴに来たのだから、トライアスロン関係の地元企業を見学に行ってきました。ZOOT社は、世界で初めてトライアスロン専用のウェアを作ったメーカーなのだそうです。ブランドマネージャーのショーンさんと。
そうそう、クボタ取材の際に、「クボタ製品で一番欲しい車両はどれですか?」と聞かれた時、迷わず答えたのがATVなのですが、大会会場で何台も活躍していました。カリフォルニアの青い空に似合います。これ、日本でナンバー取って乗れないかなぁ。マリオカートが公道を走れるのだから、これだって保安用品を付ければ何とかなりますよね。
そうそう、クボタ取材の際に、「クボタ製品で一番欲しい車両はどれですか?」と聞かれた時、迷わず答えたのがATVなのですが、大会会場で何台も活躍していました。カリフォルニアの青い空に似合います。これ、日本でナンバー取って乗れないかなぁ。マリオカートが公道を走れるのだから、これだって保安用品を付ければ何とかなりますよね。

 さてさて、それでは本編へと参りましょう。

 長編になったNISSAN GT-Rの開発エンジニア、日産自動車ニスモビジネスオフィス兼第一商品企画部チーフ・プロダクト・スペシャリストである田村宏志さんのインタビュー。

 前号で予告したように、今回が本当に最終回となるのでしょうか?