「ロボット」という単語を聞いて、あなたが最初に思い浮かべるのはどのようなものだろうか。 「Pepper」や「Robi」のような人型のロボットか。もしくは、「HAL」のような装着型ロボットか。それとも、「Roomba」のような掃除ロボットか。はたまた「Segway」のような搭乗型ロボットか。

 自分のように昭和中期世代の人間は、鉄腕アトムに始まり、鉄人28号、8マンのようなアニメのキャラクターや、映画「禁断の惑星」のロビーなどが幼い頃に刷り込まれていることから、少なくとも頭があって手足がある人型ロボットをまず思い浮かべるのではないだろうか。

ロボットの明確な定義は存在しない

 子供の頃、「産業用ロボット」と聞いてロボットという単語にワクワクし、実物を見たときに想像していた物とまったく異なった形であることにがっかりした経験をした人も多いと思う。

 冒頭に列挙したのは、現在私たちの身近にあって手を触れることが可能なロボットである。HALはモビルスーツの延長線みたいなものだからまだ許せるとしても、Roombaなんてただの円盤だし、Segwayにいたっては単なる棒みたいな乗り物じゃないの、と筆者は思うのだがいかがだろうか。

米Segway社の「Segway」
米Segway社の「Segway」

 実際のところ、ロボットに関して明確な定義は存在していないようである。「人の代わりに」、「ある程度自律的に」、「人のように」などの特徴の幾つかを持っていればロボットと呼べるようだ(自動運転技術がもっと一般的になれば、自動車もロボットの範疇になるかもしれない)。

 なんにせよ、ロボットと呼ばれるものが実生活に入り込み始めているのは間違いない。経済産業省が2015年初頭に「ロボット新戦略」を打ち出したことからも分かるように、今後の日本にとって重要な位置を占めていくことになりそうである。