日本の製造業は品質を重視する経営で高いグローバル競争力を実現してきた。こうした日本の品質関連の取り組みを支援してきたのが「デミング賞」で知られる日本科学技術連盟(以下、日科技連)。企業・組織が品質に関する事例発表を行う日科技連主催の「クオリティフォーラム」(2016年11月21、22日)に先立ち、日経テクノロジーオンラインはセッションの登壇者などへのインタビュー記事を連載する。今回は「企業理念・ウェイの浸透、展開」に登壇するマツダの執行役員で営業領域総括、ブランド推進・ グローバルマーケティング・カスタマーサービス担当の青山裕大氏のインタビュー(下)をお届けする。(聞き手は山崎良兵)

(前回はこちら

──最近のマツダのクルマにはデザインの一貫性が強く感じられます。デザインにはどのような考え方で取り組んでいるのでしょうか。

青山 デザインは、2003年に初代「アクセラ」を発売した頃から、五角形のグリルでショルダーをしっかり張ったスタイルにしてきました。車名も、海外でブランド名に数字を付けた「Mazda3(日本名アクセラ)」「Mazda6(日本名アテンザ)」など、車名の前にまずはマツダを覚えてもらおうとしました。

 車名からまず当社をしっかり理解してもらい、マツダとしての一貫した方向性を商品として群で出していくことを一貫して取り組んでいます。

 商品群全体でマツダを打ち出す戦略は、2011~2015年の5年分の商品をまとめて企画した社内で「新世代商品」と呼ばれるクルマから本格化しています。それまでのクルマは、プラットフォームをフォードと共通化する必要があり、さまざまな制約がありました。

 しかし新世代商品ではマツダが主体となって、完全に刷新されたプラットフォームとエンジンとデザインを開発し、マツダ全体で群としてある価値を共通して出していきやすくなりました。