人材開発コンサルティング会社に勤める三浦英雄氏をゲストに迎えた「やさぐれ放談」の第2回。会社を辞めた2人のおじさんたち、瀬川秀樹氏、長岐祐宏氏と、三浦氏による鼎談は銭湯の話題に。なぜ、銭湯なのか。そして、銭湯とイノベーションの意外な関係は。話題は、遠く北欧にまで広がる。銭湯に隠れた社会的課題の解決法についての熱い対話が繰り広げられた。

「これはおかしい」と、あるときに思ったんです

左から瀬川氏、三浦氏、長岐氏(写真:稲垣 純也)
左から瀬川氏、三浦氏、長岐氏(写真:稲垣 純也)
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瀬川 三浦さんの本業の人材教育や「越境リーダーシップ*1の話を聞いていると、何だかものすごく堅い人だなという印象だったけど、実はチャラチャラと音楽関連の取り組みもやっているという二面性があるんだよね。

*1 「越境リーダーシップ」については、「社内で叩かれた。それでも前に進む勇気と希望を持つ方法」を参照。

三浦 いいんですか。今日の対談、そんな話で…。

瀬川 いいの、いいの。この対談は、いつも「とっ散らかっている」から。最近は、銭湯でいろいろやっているんだよね。

長岐 え、銭湯? 銭湯で何をやっているんですか。番台ですか。

三浦 ああ、番台も今すごく興味があって。

瀬川 いや、そこは合わせなくていいから(笑)。

三浦 ちなみに、銭湯に行ったことあります?

長岐 ありますよ。

三浦 僕がいつも行っているところは普通の銭湯なんですけど、ちょっとスペースが広いんです。湯冷ましでゆったりするスペースがあって。そのスペースで、お風呂上がりのお客さん相手にDJをしています。DJと言っても、レコードをかけるだけなんですけど。

 ミュージシャンに声をかけてライブで演奏もしてもらいます。演奏への対価として、風呂上がりのお客さんに投げ銭をしてもらったりしています。

編集F 何で、そんなことを始めたんですか。

三浦 僕は、子供が生まれるまで結婚後もだいたい休日にDJをやっていて、ほとんど家にいないような生活をしていました。でも、子供が生まれてからは、やはり休日は子供と過ごすようになって、もう音楽の活動は無理だなと思った時期もありました。

 でも、「これはおかしい」と、あるときに思ったんです。音楽と子供の両方とも大好きなのに、どちらかしか選べないというのは。両方を選べるような環境をつくれない自分が悪いんだと思うようになりました。

 そこで、昼間に子供連れでも来られる音楽イベントを企画したんです。0歳から子供連れで参加してもOKで、会場のルールとしては小さい子供がいつでも走り回ったり、騒いだりしても構わない。でも、流す音楽はジャズのような大人が聴く本格的なもの。そういうイベントです。