異業種が集まり、新しいビジネスプランをまとめ上げる新ビジネス創出講座「ビズラボ」─―。2016年2月、富士通が主催する「ビズラボ presented by FUJITSU」が開催された。2015年7月に第1期を開催して以来、これが第2期となる。今回も富士通が自社の多種多様な顧客を中心に受講生を募り、総勢25人が集結した。

 顔ぶれも豪華だ。製薬をはじめ、カメラや時計の精密機器、産業機械、駐車場運営、住宅、流通、水産、オフィス機器、商社、銀行、IT企業、そして気象協会と、幅広い業界から参加者が集まった。延べ4日間におよぶ講座と、1泊2日で新潟県三条市への視察ツアーを実施し、事業創出と異業種連携の実践的な手法を学んだ(視察ツアーの関連記事)。

 4回開催された講座では、5つのグループに分かれてビジネスプランを練り上げる。初日は、まずサンプルを基にビジネスプランの検討を体験した。ルールは「ノーと言わない」「責任のない開発をする」の2つ。こうすることで、仕事に追われ、自分自身の枠にはまって、凝り固まっていた頭をどんどん解きほぐしていく。

初回に実施したサンプルを用いたグループワーク(写真:菊地くらげ)
初回に実施したサンプルを用いたグループワーク(写真:菊地くらげ)

個性的なテーマがずらり

 2回目の講座では、新規事業のテーマを設定するため、参加者は個別の「公開コンサルティング」を指南役である多喜義彦氏(システム・インテグレーション 代表取締役)から受けた。多喜氏と1対1で対談しながら、新規事業のテーマになりそうなアイデアを抽出するというものだ。今回は、合計14件のアイデアの中から、参加者の投票によってテーマを5件に絞り込んだ。

 テーマは、Aグループが「Space Index」。ネットワークカメラに映っている空間自体を商品にするというもの。突拍子もないものに思えるかもしれないが、三菱地所が東京駅の空中権を購入しているなどの事例があり、価値をどう生み出していくか、新しい発想を試されるところである。

 Bグループのテーマは「Famiマイル」。近くよりも遠くの店舗に行った方が、お客さんが得をする仕組みを提供する。コンビニエンスストアは近くて便利という常識を打ち破るビジネスプランを考える取り組みである。

 Cグループのテーマは「どこでもケータリング」。冷凍食品などの食品加工技術を利用して、独居高齢者などを対象にした豊富なメニューの食事を効率良く作り、宅配するサービスである。地域を巻き込み、時間の余裕がある人々をまとめて配送システムを構築し、利便性と地域の雇用創出を両立させる挑戦だ。

 Dグループのテーマは、「みてみて24」である。これは、街中にある駐車場にディスプレーを設置し、近隣の商店の広告を表示するなど新用途を開発するというもの。駐車場が地域にどう貢献できるかを問う興味深いテーマである。

 Eグループのテーマは、「GETA」。天気予報が当たらなくても、怒らず、楽しめるサービスというコンセプトだ。1週間の天気や各地の天気などを当てるくじを作り、天気予想をエンターテインメントにできないかに挑戦する。