2015年8月21日、東京・半蔵門にあるシステム・インテグレーションの会議室に16人の“精鋭”が集結していた。新ビジネスの創出を目的とした講座「ビズラボ」の第3期に参加するためだ。

 参加者の所属する業界は、電機、機械、粉体加工、IT、印刷、医療、コンサルティング、出版など多岐にわたる。こうした異業種のメンバーとの闊達な議論によって、これまでにない斬新なビジネスプランを練り上げることがビズラボの狙いである。

 とはいえ、初対面でいきなり闊達な議論をするのは難しい。初回は、サンプルの題材を用いたグループワークによって、議論の進め方を学ぶことに主眼を置く。ここで、ビズラボの講師であるシステム・インテグレーション代表取締役の多喜義彦氏から、議論を進める上での2つのルールが伝えられた。1つは、「ノー」と言わないこと。もう1つは、責任のない開発をすることだ。いずれも、心を解放してアイデアをどんどん出すために欠かせないルールである。

 この2つのルールを実践するだけで、直前までの緊張した雰囲気が嘘のように、自然とアイデアが湧き出てくる。参加者の表情に笑顔が広がり、初対面とは思えないぐらい会話が弾んできた。

 そして迎えた1週間後の第2回。ここからが本番である。16人の参加者は、4つのグループに分かれてビジネスプランを練り上げていくことにある。このグループ分けに当たり、多喜氏による「公開コンサル」が実施された。公開コンサルとは、同氏が参加者と1対1で話し、所属する組織の事業分野や得意技術、悩みなどを聞き出した上で、ビジネスプランの出発点となるアイデアを考案するというものである。

 この公開コンサルで出たアイデアを、参加者による投票で絞り込んだ。残ったのは、「音声肖像権」「ロボットレストラン」「おまかせ電気代」「セミナーマーケット」の4つ。参加者はいずれかのテーマに名乗りを上げる。その後は、グループごとに議論を重ね、最終発表を目指してビジネスプランへと昇華させていくことになる。