衞藤 一方、スポーツ大会へのエントリー関連についてはそれほど伸びていません。ただ、それは観戦チケットの需要が、欧州のサッカーを中心にものすごく大きいからで、会社の売り上げの7〜8割を占めています。

 今では、さらに四つの事業部を立ち上げています。プロスポーツ選手を目指す環境をアスリートに提供する事業、スポーツビジネスを学ぶ場を提供する事業。それから、「スポーツウェディング」という世界中のスタジアムで結婚式を挙げるサービス。そして今、最も注力しているのは、キャリア育成事業部です。

チアダンスチーム「LOICX GIRLS☆(ロイックスガールズ)」(写真提供:ワールドスポーツコミュニティ)
チアダンスチーム「LOICX GIRLS☆(ロイックスガールズ)」(写真提供:ワールドスポーツコミュニティ)
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ロイックスガールズは、NBAでもパフォーマンスした(写真提供:ワールドスポーツコミュニティ)
ロイックスガールズは、NBAでもパフォーマンスした(写真提供:ワールドスポーツコミュニティ)
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 これは、日本では職業として成り立っていないスポーツを職業に変えて世界に羽ばたけるような仕組みをつくる取り組みです。

 今手掛けているのは、「LOICX GIRLS☆(ロイックスガールズ)」というチアダンスチーム。結成して2年のチームなんですが、2015年2月にはNBAでパフォーマンスさせることができました。

 これは、日本人で構成されたチームは初の快挙で、スクールで学ぶ子たちにもすごくいい憧れ・目標を提供することができて、ようやく軸のようなものができてきた。これからしっかりと本腰入れて手掛けていきたい事業ですね。

リアル スポーツチケット手配を手掛ける会社は、世の中に多くありそうな印象があります。なぜ、チケットにたどり着いたのですか。

衞藤 いや、もう本当にひらめきで。四六時中考え続けてスポーツビジネスは「見る」「やる」に行き着くはず、そこをビジネスにしようって。ちょうど会社を作ったのが、サッカーのワールドカップ(W杯)でチケットトラブルが問題になっていたころだったんですよ。ツアーを組んで行ったのに、現地でチケットが取れなくて結局観戦できなかったということが起きて、海外のスポーツチケットって何か怪しい、危ない、というような雰囲気が漂っていたころでした。

 でもスポーツを観戦すること自体は健全なわけで、チケットだって正しいものは正しいわけです。そこを正しく、安心できる形で日本にご案内できればビジネスになると思ったんですね。

 エントリーに関しては、ちょうど東京マラソンで一気に盛り上がって、マラソン人口がすごく増えていた時期です。世界ではあのクラスのマラソン大会が500カ所はあって、結構面白いのがあるんです。ワインを飲んで走るフランスの「メドックマラソン』とか、ジャマイカでは42.195kmの沿道ずーっとミュージシャンがレゲエを演奏しているマラソンとか。そういう情報を出していくだけでも結構価値があるんじゃないかなと思うんですが、チケットのほうが忙しすぎて、エントリーになかなか手が回らない。

三反田 知らない人にはなかなか分かりにくい世界ですよね。レースの世界では電気自動車のパワーユニットの開発が進んでいるだとか、海外には信頼できるチケット販売会社が少ないだとか、そういう業界の背景的なことをおのおの話していただけますか。いいことも悪いことも、リアルなところを包み隠さずお願いします。