武谷 ダーウィンの武谷です。現在弊社はいろいろな事業を手掛けていますが、もともとは飲食関連のベンチャーです。2000年に創業した当時は「桜ダイニング」という名称で、10店舗くらいの展開をしていました。

 しかし、もともと私が商社出身で、料理人でもないものですから、そのうちにもうからないお店を居抜きで売却したり、独立開業したい人と運営者をつないだりするようなことを手掛けるようになりました。そこが起点になって、じゃあ同じように困っている人もいるんじゃないかと思うようになって、事業領域を少しずつ広げていきまして、サービス業やアミューズメント事業、フィットネス事業の出店支援をやるようになったんです。

 商流としては、機器などをレンタルしたり、代理で購入してリースしたりするような、卸売としての位置にいるんですが、ファイナンスや金融も含めて、営業的な出店支援、店舗展開の方面での事業に力を入れています。それで、時代の変化も激しいし、いろいろな事業領域で仕事ができるように、事業が変わっても通用する「ダーウィン」という社名に変えたという経緯があります。

 ちょっと変わったところでは、パブリックスペースや商空間を快適にする、フレグランスデフューザーのレンタル事業なんかもやっていて、分かりやすいところで言うと、アパレル関連の店舗や、大手のマンションのモデルルームなどに導入してもらっています。

 ほかにも、中小のサービス業やベンチャーと取り引きしたり、支援したりする中で集まってくる情報を活用した情報サイトを運営したりもしていますね。例えば、「フードスタジアム」という都内の飲食店の出店情報を扱うサイトとライセンス契約して、アジア版の「フードスタジアム アジア」を手掛けています。飲食が中心ですが、アジア各国へ進出する企業の情報を発信しながら、水面下ではそのお手伝いをしているという形です。

武谷 勝法(たけや・かつのり)。ダーウィン 代表取締役(写真:加藤 康)
武谷 勝法(たけや・かつのり)。ダーウィン 代表取締役(写真:加藤 康)
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編集T それはビジネスモデルとしては会員制の有料サイトですか?

武谷 いや、情報は完全に無料、オープンで。こんな企業が、タイで、カンボジアで出店しましたよというような情報と共に、アジアで頑張っている日本企業の社長さんのインタビューをしたり、ですね。しかし、そういうところから、日本の有名飲食店が海外進出するときに、フランチャイズ展開する現地企業とのマッチングを弊社が行ったりするなど、新たな事業へと広がりを見せています。

 今は、自らがベンチャー企業として新しいことにどんどん挑戦し、事業を変化し、拡大させていくことをしながらも、いろんなベンチャーさんと競合したり時にはジョイントしたり、最近ではIPO(新規株式公開)を目指す企業に出資することもやったり、もういろいろなことを手掛けています。

三反田 それは、やはり飲食業が中心になるんですか。

武谷 飲食業とサービス業が多いですね。社名は言えませんが、再生可能エネルギーやウェディング関連のビジネスもあります。場合によっては、会社としてというよりも私個人としてなんですが、経営上のアドバイスするようなコンサルティング的なこともやっています。

三反田 ほかの人が困っていることを手助けすることで業容が広がるというのは面白いですね。店舗の居抜きなんて、結構需要があるでしょう。