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特許庁レポート 特許分析から探る日本の競争力

移動体カメラの日本優位、維持のカギは高機能カメラモジュール

平成28年技術動向調査:移動体用カメラ

  • 特許庁調整課一部調査室
  • 2017/12/20 05:00
  • 1/6ページ

 乗車装置や携帯電話等に用いられる移動体用カメラは、小型化や薄型化に優れたものなど、高性能な部品が求められ続けている。特許出願動向調査を行うことで、現在日本は高機能な部品供給者として強みを発揮していることが分かった。その地位を保ち続けるためにも技術開発を行うこと、また、日本以外の製造拠点に特許出願を行うことが重要である。そして、モジュール全体としての多機能化や高性能化を踏まえた技術開発や、科学技術政策の中で重点課題として取り上げられている自動走行システムやロボットに必要とされるセンシング(測距)機能を取り込んだ、多様なカメラモジュールの開発が望まれる。

 移動体用カメラとは、自転車、バイク、鉄道、飛行機、船舶等のほか、携帯電話・スマートフォンに組み込まれ、写真や動画を撮影するための小型のモジュールです。カメラモジュールは、レンズ、IRカットフィルター、イメージセンサのようなカメラとして機能するための最低限の部品から構成される部品が集積され、使用目的や用途に合わせて性能や形態を決めることができます。カメラモジュールの構成を図1に示します。

図1 カメラモジュールの構成

 近年、携帯電話・スマートフォンやタブレット端末などカメラモジュールが搭載されたデバイスが急速に普及しています。また、自動車、バイク、飛行機、船舶等にもカメラモジュールが組み込まれることが一般的になっています。

 移動体用カメラ市場は、「カメラ付き携帯電話」をはじめとして、スマートフォンや車載用カメラなど用途を拡大しながら市場を伸ばしてきました。図2を見ると、生産数量、販売金額ともに、右肩上がりとなっていることが分かり、今後も伸びていくことが予想されます。

 また、カメラモジュールの生産量の企業別シェアを見てみると、多くの中国、韓国、台湾企業がほぼ横並びでシェアを占めており、競争が激しいことが分かります(図3)。

一方、例えば、図4にはカメラモジュールに搭載される部品の一つであるボイスコイルモータのシェアを示していますが、市場のうち約半数を日本企業が占めていることが分かります。他にもレンズユニットやエリアイメージセンサなど、日本企業がシェア上位に食い込むなど、強みを発揮しています。

図2 世界のカメラモジュールの生産数量と販売金額の推移
出典:2015年グローバルカメラモジュール産業 QYResearch
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図3 カメラモジュール市場の企業別生産数量シェア(2015年)
出典:2015年グローバルカメラモジュール産業 QYResearch
[画像のクリックで拡大表示]
図4 ボイスコイルモータの生産量のシェア
出典:2016 年グローバルボイスコイルモータ産業 QYResearch
[画像のクリックで拡大表示]

 日本では、移動体用カメラそのものに関する政策はありませんが、移動体用カメラが利用されるものに関する政策として、科学技術基本計画の「生産性向上に資するロボット技術」、「安全・安心な生活に向けた支援ロボット」、「自動走行システムの開発」が関連します。米国、欧州、中国、韓国においても、ロボット技術や自動走行システムの開発が科学技術の重要政策として取り上げられています。

 また、カメラモジュールの開発では、ビューイング技術をセンシング技術として、分けて考えられており、協働作業をするロボットや自動走行システムの開発では、カメラを主要な「センシング技術」と位置づけて開発が進められています。

 このような背景の下、特許庁は「平成28年特許出願技術動向調査」において、移動体用カメラに関する特許出願動向を調査し、その実態を明らかにしました。本調査の主要部分を本稿で紹介します。

 図5に本調査の技術俯瞰図を示します。本調査では、移動体用カメラに関する主要技術と、同技術を用いた応用産業、移動体用カメラの技術において解決しようとしている課題を調査範囲としました。

図5 技術俯瞰図
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