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特許庁レポート 特許分析から探る日本の競争力

メカかバイオか、人工臓器のダイバーシティを追う

平成28年度特許出願技術動向調査:人工臓器

  • 特許庁審査第二部審査調査室
  • 2017/08/28 05:00
  • 1/3ページ

医療機器の世界市場において、日本企業の製品が占めるシェアは低いものの、iPS細胞などの未分化細胞利用技術について優位性を有する日本は、人工臓器分野において外国に対して、巻き返しを図ることが期待されている。人工臓器に関する特許出願状況を調査したところ、日本は出願件数が米国や欧州に比べて大きく出遅れているものの、日本でも世界をリードする要素技術があることがわかった。日本の巻き返しのためには、日本が強みをもつ要素技術への注力、技術的ブレークスルーが期待されている技術への注力を行っていく必要がある。

 人工臓器の世界市場は、年率約8%の成長が期待され、2019年には約1兆7000億円と予想されています。しかし、世界市場で日本企業の製品が占めるシェアは総じて低く、特に、人工心臓弁や人工血管といった人工臓器については、我が国はほとんどを輸入に頼っています。このような現状に対し、我が国では日本再興戦略(2013,2016改)、健康・医療戦略(2013,2014改)などの政策により人工臓器開発が支援され、諸外国に先んじて新たな技術を確立し、巻き返しを図ることが期待されています。

 そこで、開発に注力すべき臓器の種類や、新しいタイプの人工臓器を製造するためにコアとなる要素技術を明らかにするべく、特許庁は「平成28年度特許出願技術動向調査」において、人工臓器に関する特許出願動向を調査し、その実態を明らかにしました(特許庁による調査レポートの概要(PDF形式)こちら)。本調査の主要部分を本稿で紹介します。

 一般に人工臓器とは、体の機能が欠損した部分や機能を補うために人工的に作り上げたものの総称です。本調査では、人工臓器を以下の4つの技術タイプに分け、適用部位、対象機器、治療方法、要素技術、課題の観点から分析を行いました(図1)。ただし、人工臓器のうち、骨、関節、歯、義肢、ペースメーカーは対象外としています。
 ① 人工物による人工臓器(体内埋込型。人工透析装置などの体外型を除く。)
 ② 人工物と生体由来材料とを組み合わせたハイブリッド型人工臓器(体外型)
 ③ 人工物と生体由来材料とを組み合わせたハイブリッド型人工臓器(体内型)
 ④ 生体由来材料のみによる人工臓器

 なお、人工物とは、高分子材料、金属、セラミックス、炭素材料などの材料からなるものです。生体由来材料とは、細胞(例えば、iPS細胞、ES細胞など)、細胞内外の物質(例えば、コラーゲン、ヒアルロン酸など)、生体組織(身体のパーツのこと、例えば、心膜、心臓弁など)を含み、ヒトだけでなくウシ、ブタなどの動物由来の材料も該当します。

図1 技術俯瞰図
[画像のクリックで拡大表示]

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