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特許庁レポート 特許分析から探る日本の競争力

工場におけるIoT技術、日本先行もAIなど新技術に注意

平成28年度特許出願技術動向調査:スマートマニュファクチャリング技術

  • 特許庁審査第二部審査調査室
  • 2017/08/21 05:00
  • 1/5ページ

スマートマニュファクチャリング技術は、いわゆるIoT技術の活用の一種であり、工場内の設備などに情報通信技術および情報処理技術を取り入れて工場の生産性の向上や新しいビジネスの創造を目指す技術である。IoT技術の応用分野の中でも工場におけるIoT活用は最も経済効果が高いと予測されており、注目度が高まっている。同技術に関する特許出願状況を調査したところ、日本は技術区分のほとんどで出願件数が他国と比べて最も多いことがわかった。しかしながら、階層を飛び越えるデータ伝送、クラウドの利用や人工知能活用など、米国などの後塵を拝しているものも一部にあり、こうした日本からの出願件数がまだ多くない技術に注目して分析を行った。

 スマートマニュファクチャリング技術とは、いわゆるIoT技術の活用の一つであり、「工場内の設備等に情報通信技術及び情報処理技術を取り入れて工場の生産性の向上や新しいビジネスの創造を目指す技術の総称」とされ、生産ラインにおける個別の製造条件や製造機器のログデータなど、これまで活用しきれなかったデータを、収集・分析することで、生産性、生産管理の向上およびサービス化を図るための技術などの向上につなげることが可能となる技術です。

 2013年、ドイツ(独、図中では独国とも表記)がスマートマニュファクチャリング技術に関する一大プロジェクト”Industrie 4.0”を本格的に始動し、2014年には、米国でインダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)が立ち上がりました。以降、スマートマニュファクチャリング技術に関し、業界を巻き込んだ動きが加速しており、スマートマニュファクチャリング技術に関する特許の動向を調査し、技術革新の状況、技術競争力の状況と今後の展望について検討する必要がありました。

 このような背景の下、特許庁は「平成28年度特許出願技術動向調査」において、スマートマニュファクチャリング技術に関する特許出願動向を調査し、その実態を明らかにしました(特許庁による調査レポートの概要(PDF形式)こちら)。本調査の主要部分を本稿で紹介します。

図1に本調査の技術俯瞰図を示します。

図1では、「スマートマニュファクチャリング技術」を、垂直統合、水平統合、製品ライフサイクルという3軸の特徴を用いて俯瞰しています。垂直統合は、製造工場においてERP、MES、制御(PLCなど)、フィールド機器、部品/コンポーネント、製品、および、それらの間の連携によって構成されています。水平統合は、複数の製造工場、他企業、および、顧客の間の連携によって構成されています。この連携には、サプライチェーンが含まれ、モノ・情報・サービスの流れが存在しています。製品ライフサイクルは、エンジニアリングチェーンからみた製品ライフサイクルを意味し、製品設計、生産設計、生産、販売・サービスの各工程、および、それらの間の関係によって構成されます。また、今回の調査範囲には、アーキテクチャ、ソフトウェア、ハードウェアも含まれています。

図1 調査対象範囲(技術俯瞰図)
[画像のクリックで拡大表示]
用語の説明:
(1) ERP: Enterprise Resource Planning 企業の持つ様々な資源を統合的に管理し経営の全体最適を目指す手法
(2) MES: Manufacturing Execution System 製造現場において各工程を連携し、工場の機械や労働者の作業などを管理するシステム
(3) PLM: Product Lifecycle Management 製品ライフサイクル管理
(4) PLC: Programmable Logic Controller プログラマブルロジックコントローラ
(5) DCS: Distributed Control System 分散制御システム
(6) SCADA: Supervisory Control and Data Acquisition 産業制御システムの一種

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