中国では、鉄道分野のうち車両購入・更新・改造への投資額が、2004年の370億人民元から2008年には770億人民元にまで伸びるなど、鉄道関連の市場が急速に成長してきました。中国市場は、欧州などの主要車両メーカー、日本の車両や機器メーカーが参入する一方で、中国の車両メーカーなども売上を伸ばしており、今後一段と競争が激しくなることが予想されます。

 こうした状況を踏まえ、特許庁は「平成26年度特許出願技術動向調査」において、特に中国における鉄道車両に関する特許出願動向などを調査しました。その結果、中国への特許出願は中国籍が急増し全体の過半数を占めていることや、広範な技術範囲で特許出願している姿など、その実態を明らかにしました(特許庁による調査レポートの概要(PDF形式)はこちら)。本調査の主要部分を本稿で紹介します。

 図1に本調査の技術俯瞰図を示します。鉄道に関する技術は、大きく「鉄道車両」、「列車制御システム」、「架線・軌道・土木構造物」、「駅構内システム・サービス」などに大別できます。加えて、最も上位のフレームとして、どの様な鉄道を敷設するのかという観点の「鉄道方式」があります。本調査では「鉄道車両」、「列車制御システム」、「鉄道方式」を調査対象としました。

図1 技術俯瞰図
図1 技術俯瞰図
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