もはや日本は米国と戦えない

大田 新しいサービスがユーザーにとって分かりやすく便利であれば、投資家もお金を出しやすいですね。たとえ便利なものであっても、目新しすぎてユーザーに分かりにくい商品やサービスはなかなか手が出ません。

森川 やはりBtoCは、起業する人がアイデアを出しやすい分野ということもあると思います。自分の家で、自分が困っていることは何だろうというところから考えるので、非常に分かりやすいと思います。

大田 シリコンバレー全体がそういう流れになっているのでしょうか。

森川 IoTへの関心はますます高まっています。今は3Dプリンターがあるし、製造も台湾/中国に委託すれば簡単にできます。誰でもものづくりができるようになりました。ですから、どんどん新しいモノが出てきています。

 さらに、お金を集めることも、クラウドファンディングで簡単にできるようになりました。だからこそ、たとえニッチな分野でもGoogle社に買収してもらうためにみんな頑張っているという認識ですね。

[画像のクリックで拡大表示]

 私は、IoTのうちBtoCの分野では、もはや日本は米国と戦えないと思っています。動きの速いBtoCはシリコンバレーに任せて、我々日本は別の分野を探した方がいいのだろうと思っています。

大田 日本が戦える、もしくは戦うべきIoTの市場が別にあるということですね。