楽しみながら障害を攻略 そこに大きなビジネスチャンス

ゲームを攻略するように明るく楽しく、「マチ」「モノ」「コト」「ヒト」の障害という課題の解決に取り組む障害攻略課。

障害攻略課の活動を加速するために、リアル開発会議のプラットフォームを最大限活用して商品やサービスを開発する。

「マチ」 「モノ」「コト」「ヒト」にまつわる障害を攻略する――。そんな活動を応援しようと始まったのが、「障害攻略課@リアル開発会議」だ。

 障害攻略課は、2010年のバンクーバーパラリンピックのアイススレッジホッケー*で銀メダルを獲得した上原大祐氏や障害を抱える子供を持つクリエーター、障害者問題に関心のあるカメラマンなどがメンバーとなり、障害という困難な問題をゲーム感覚で明るく楽しく攻略することに取り組んでいる。この主旨に賛同した石川県中能登町とはすでに取り組みを始め、スポーツや観光分野で成果を出している。

 障害攻略課@リアル開発会議では、障害攻略課の従来の活動を加速し、さまざまな企業や組織、自治体を巻き込みながら、この活動自体が永続化し、異なる特性を持つ多様な人々にとって暮らしやすい世の中を作り上げることを狙っている。活動が永続化するためには、ビジネスの観点が必要だ。社会的意義と金銭的利益の2つがあればこそ、個人も企業も永続的に参加でき、障害を攻略し続けることが可能になる。

 2017年8月22日に開催された説明会では、障害攻略にビジネスチャンスが眠っていることが障害攻略課のメンバーから説明された。例えば、車いすでの生活はまだまだ不便な面が多い。バリアフリーな店というので行ってみると、お店はバリアフリーだが建物がバリアフリーでないために入れなかったりする。また駅でエレベーターへの経路表示が上の方に掲示されていたりする。車いすの人は視線が低く、高いところにある標識は視界にとらえにくい。近くに立っている人がいると視界が狭くなり標識が見えない。むしろ床に書いてあったほうが見やすい。これらを解決する車いすの人に向けたバリアフリーマップや障害者のためのミシュランガイドがあれば、すぐにでも需要はある。

 車いす用のクッションにもニーズがあることに驚かされた。クッションなど普通のものでよさそうだが、実際は洗濯が可能で高さを変えられると非常に便利になる。座り続けているクッションは毎日でも洗いたい。だから洗えてすぐに乾くほうがいい。また、車いすは使用者の体に合わせて作られるわけではなく、手から車輪へうまく力が伝わらないことがある。クッションで高さを変えられれば、乗り心地が圧倒的に変わるのだ。これらのニーズは超高齢化社会に突き進む我々自身のニーズでもある。