「IoT向けの半導体デバイス生産によって日本が大量に保有する200mmラインの需要が高まり、日本にとって大きなチャンスを生まれる」――。本連載など様々な場所を借りて、昨年からそう主張してきました。しかし現実は、200mmラインのオーナーがこのチャンスをやすやすと利益に結び付けられるわけではありません。
日本が生産する多様なデバイスを組み合せたモジュールビジネスで付加価値を与えることが、200mmラインの収益性を高めるための鍵となるはずです。つまり、その組み合わせとマーケティングを実行する仕組みや戦略を構築することが、日本の半導体産業全体が早急に取り組むべきテーマではないでしょうか。
実は日本が手をこまぬいているうちに、台湾などの海外勢は200mmラインの生産能力を着々と拡大しています。このトレンドは今後も継続します。SEMIの分析では、2019年には全世界の200mmの生産能力が再び2006年の水準(月産540万枚)まで増加する見込みです。
この結果、200mmの中古製造装置は市場から姿を消してしまい、出物があったとしても同等の300mm装置よりも高額のプライスタグが付けられるという状況になっています。