去る2016年6月7日にSEMIが発表した2016年第1四半期(1-3月期)の半導体製造装置出荷額は、昨年同期比でマイナス13%の83億ドルと低調でした。しかし、その後の統計データからは4月、5月と受注が増加し、回復基調にあることが見えてきました。

 北米に本社をおく半導体製造装置企業のBook-to-Billレシオ(販売額に対する受注額の比率)をSEMIは毎月発表しています。この比率が1を超えると、現在の販売額よりも将来の販売額が増加する傾向であることが読み取れます。2016年1月から5月のデータを表1にまとめましたが、受注は4月、5月と回復を続けていることが明らかです。

表1●SEMI Book-to-Billレシオの推移(金額は百万ドル単位)
2016年 1月 2月 3月 4月 5月
(暫定)
販売額$1,221.20 $1,204.40 $1,197.60 $1,460.20 $1,601.10
受注額$1,310.90 $1,262.00 $1,379.20 $1,595.40 $1,749.30
比率1.07 1.05 1.15 1.09 1.09
出典:SEMI 2016年6月

 同調査における2015年の受注額は、4月が15億7370万米ドル、5月が15億4620万米ドルでしたから、北米装置メーカーの受注額は4月、5月と続けて昨年の水準を上回ったことになります。1-5月の販売額累計を見ても、2015年の68億9740万米ドルに対し、2016年は66億8450万米ドルと同期比3%減までに接近しています。

 SEMIが2015年12月のSEMICON Japanで発表した半導体製造装置の市場予測では、2016年は前年比1.4%増のプラス成長を予測しており、予測のレンジでの推移となっていると考えられます。