オランダASML社は2017年4月19日の2017年度第1四半期の決算発表で、アナリストに向けて量産ライン向けのEUV(extreme ultraviolet)露光装置「NXE:3400B」を21台受注していることを発表しました(決算発表のプレゼン資料:PDF)。

 プレゼン資料の16ページを見ると、NXE:3400Bの出荷開始(first shipment)は2017年中とあります。ASML社のEUV露光装置としては、すでにNXE:3300などが出荷されていますが、検証・評価目的での導入が中心です。NXE:3400Bは実際に量産ラインに投入できるレベルの製品となるのか、ペリクル(防塵カバー)などの関連製品のアップデート状況はどうなっているのか。2017年7月11日から米サンフランシスコで開催される半導体サプライチェーンの展示会「SEMICON West」で注目されるところです。

最初の量産品は7nmノードのロジックか10nm台のDRAM

 2017年5月9日に配信されたSEMIの英文ニュースレター「SEMI Global Update」は、ASML社のDirector of Strategic MarketingであるMike Lercel氏のインタビューを掲載しています(SEMI Global Update「Debate about EUVL Still Drives Discussion」)。

 Lercel氏はSEMIのインタビューに対し、「7nmおよび5nmノードへのEUVリソグラフィの導入を妨げるようなインフラの問題はない」と答えています。問題視されていたペリクルについても「今年になって転写されるような欠陥のないペリクルの製造に成功した。マスクショップ向けにEUVの高精細フォトマスクのペリクル装脱着装置を開発し、すでに複数セットを出荷している」としています。

 EUVリソグラフィによる最初の量産品は7nmノードのロジック半導体および10nm台半ばのDRAMになるだろうというのがASML社の予想です。「EUVはコスト効率の高い、微細化に最適なプラットフォームだ。チップメーカーはそれぞれのプロセスに基づいて、EUVをどのように追加するか判断をすることになる。ノードのnm値は、チップメーカーそれぞれの慣習によって呼び方が異なるだろう」(Lercel氏)。