スロースタートだった2016年の半導体製造装置市場は後半になって急激に上昇し、トータルでは前年比13%増となる412億米ドルの年間販売額に到達しました(SEMI世界半導体製造装置統計発表)。そのけん引役となったのは、3D NANDフラッシュ需要と好調なファウンドリー企業、地域では中国だといえるでしょう。

 今回は大躍進する中国市場について、最近SEMIが発表した各種データから、現時点での予測をまとめます。

政府資金を背景に中国企業の投資が拡大

 中国の旺盛な設備投資は、これまで韓国SK Hynix社(工場は江蘇省無錫市、2006年製造開始)、米Intel社(工場は遼寧省大連市、2010年製造開始)、韓国Samsung Electronics社(工場は陝西省西安市、2014年製造開始)など、主に外国資本によって進められてきました。しかし、2018年以降は政府資金を背景とする中国企業による投資が急速に拡大し、2019年には大半を占めるようになるとSEMIのアナリストは見ています。

 2015年から2020年までの中国の前工程装置の投資額の推移(予測)を、外国資本と中国企業に分けて、図1に示します。

図1●中国前工程装置市場の国内・外国資本別推移
図1●中国前工程装置市場の国内・外国資本別推移
出典:SEMI World Fab Forecast
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