第二次世界大戦が始まった頃、欧州駐在の日本軍武官は、夜間空襲に来た敵機にアッという間にサーチライトが集まったり、対空砲火が正確だったことから、日本に存在しない「電波兵器」の出現に気付いたという。

 彼はその重要性を本国に訴えたものの、夜戦を伝統とする日本軍首脳は「(こちらから電波を出すのは)闇夜に提灯をつけるようなもの。居場所がバレたらどうする」と取り合わなかった。電波兵器の開発に後れを取った日本は、第二次世界大戦で最後まで不利な戦闘を強いられることになった。

 時代は変わり、今や民間車両にもレーダーが普通に搭載されるようになった。この流れを加速しているのが自動運転補助システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)、特に、追突しそうになったら自動的にブレーキをかけて事故を回避する自動ブレーキシステムの普及だ。今回はトヨタ自動車のADAS「Toyota Safety Sense P」が搭載するミリ波レーダーを紹介する。

Toyota Safety Sense Pミリ波レーダーモジュールの外観
Toyota Safety Sense Pミリ波レーダーモジュールの外観
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筐体のシールその1
筐体のシールその1
DENSOと記載されており、デンソー製であることが分かる
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筐体のシールその2
筐体のシールその2
こちらにはTOYOTAと記載されている