LTEに代表される高速無線通信は、周波数の高い帯域の電波を使用することが多い。高い周波数の電波は高速通信が可能な半面、障害物に弱く、壁に囲まれた建物の中に電波が届きにくいという特性がある。これを解決するため、鉄塔の代わりに建物の中や地下街などに携帯電話/スマホの小型基地局を設置する方法が提案されている。これを「スモールセル」と総称する。

 2016年5月10~12日、スモールセルの最新技術や関連製品を展示し、ひたすらスモールセルについて語り合うイベント「Small Cell World Summit(SCWS)2016」が英国ロンドン中心部にあるインターコンチネンタルホテルで開催された。以下、SCWS 2016で筆者が見聞したスモールセルの最新動向をお伝えする。

米Google社が出展した円筒形のスモールセル
米Google社が出展した円筒形のスモールセル
カバーを外した状態。製造は中国TP-Link社が担当
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※SCWSは誰でも参加できるが、入場料はかなり高額。参加に二の足を踏んでいた筆者は、ある日本企業のご厚意でチケットを分けていただき、今回初参加できることとなった。この場をお借りして深く御礼申し上げる。