ホンダのスーパースポーツカー「NSX」が、初代誕生から26年ぶりに全面改良して登場した。
新型NSXは、車両本体価格が2370万円と破格である。エンジンは新設計され、またハイブリッドシステムと、前輪のモーター駆動によるトルクベクタリング機能も備える。そしてブレーキには、カスタムオーダーとしてカーボン・セラミック・ローターが設定され、常に高い制動力を発揮する仕様も選べる。
スーパースポーツカーとはいえ、NSXは初代から人間中心のクルマ作りを特徴としている。運転席に座ると、前方の見通しが非常に良いことに気づかされ、それは初代と同様だ。ダッシュボードの高さを低く抑えたデザインで、視界が確保されている。新型ではさらに、前面ウインドーを支えるピラーが3次元形状に成形された高張力鋼管を使っており、断面を極限まで小さくし、細い仕上げとなっている。市街地での右左折などでも周囲の安全を確認しやすく、また、車体幅が1.9mを超えるにもかかわらず、狭い道でのすれ違いの際に車両感覚もつかみやすくなっている。今回の試乗で推奨のルートを間違え、路地に入り込んだが、運転していて不安はなかった。