独BMW社の「5シリーズ」が、7年ぶりに全面改良した。

 外観は、世界でも数社しか持っていないという1/1の風洞で空気抵抗を突き詰めたとのことであり、高速走行時に静かな室内にいても風切り音に気づかないほどであった。

前型と車体寸法は大きく変わらず、それでいて空気抵抗を大幅に向上させた新型5シリーズ。こちらは、試乗をした523d
前型と車体寸法は大きく変わらず、それでいて空気抵抗を大幅に向上させた新型5シリーズ。こちらは、試乗をした523d
[画像のクリックで拡大表示]

 今回試乗したのは、2.0L直列4気筒ディーゼルターボの523dと、3.0L直列6気筒ガソリンターボの540i M Sportの2台である。ほかに、2.0L直列4気筒のガソリンターボの523iと、出力違いの530i、プラグインハイブリッドの530e、そして4輪駆動の540i xDriveがある。このうち、530eは第3四半期、523iは第4四半期からの発売予定だ。

 ディーゼルターボとガソリンターボ、そして出力も190psに対し340psとまったく異なる523dと540i M Sportだが、どちらも完璧な仕上がりを実感させる乗り味であった。

 まず、走りが非常に軽快である。7シリーズと違い、ビジネスセダンに位置付けられる5シリーズでは、炭素繊維の部品は使われないが、アルミニウム、マグネシウム、そして高張力鋼板を駆使し、日本仕様車で前型比80kgの軽量化を果たしているという。この大幅な軽量化と、BMWがこだわる前後重量配分50:50の成果が、その軽快な操縦安定性に表れている。