米国のメディカル環境のデジタル化は着実に進んでいるようです。最近私が経験した実例を2つほどご紹介します。

 医療機関で最初に診療を受けるときには、日本同様アメリカでも問診票を書かされます。ところがアメリカでは、その分量がやけに多いのです。3ページ以上に及ぶことも珍しくありません。既往症やアレルギーなどについて聞かれるのは不思議なことではありませんが、宗教や所属教会まで聞かれるのには少なからず違和感を覚えます。“治療中にもしものこと”があった場合の対応を考慮してのようですが、あまり気持ちが良いものではありません。

 当たり前のことですが、問診票には医療用語がたくさん並んでいます。これが英語を母国語としない者にとっては苦痛です。普段辞書などを持ち歩かない私も、この時ばかりは電子辞書を持参します。それでも私の場合、普通のアメリカ人の2倍は時間がかかっているでしょう。

特別なフレームにはめ込まれたiPad
特別なフレームにはめ込まれたiPad
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 さて、先日私が通院しているボストンの大病院「マサチューセッツ総合病院」を訪れた際のことです。もちろん予約して出かけたのですが、受付でタブレット端末を渡されました。このタブレットは、操作しやすいようにプラスチック製の大きなフレームにはめ込まれています。 要するに、患者にタブレットで問診票を入力させるわけで、カルテのデジタル化の一環のようです。質問は英語だけでなく、スペイン語など他の言語も選ぶことができます。ただ、残念ながら、日本語はありませんでした。