ディスプレイの展示会ではなくなりつつあるファインテック ジャパン
ディスプレイの展示会ではなくなりつつあるファインテック ジャパン
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 2016年4月6日から3日間、東京ビッグサイトにおいて「第26回ファインテック ジャパン~フラットパネルディスプレイ技術展~」が開催されました。ディスプレイと副題が入っているので、最新ディスプレイ技術の動向が見られるのかと期待したのですが、実情はかなり違っていました。主要なディスプレイメーカーの出展はほとんどなく、関連する部材メーカーの展示が中心でありました。

 同時開催されている関連展示会をあげてみると、第16回光・レーザー技術展、第7回高機能フィルム展、第5回高機能プラスチック展、第3回高機能金属展、第1回高機能セラミック展、というように素材が中心となっていることが分かります。改めて、展示会全体の表示を見ると、見逃しそうな程度に「高機能素材ワールド2016」と書かれていました。

タッチパネル用に様々な新材料を紹介するグンゼ
タッチパネル用に様々な新材料を紹介するグンゼ
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開発中の多様な新材料を紹介するトーヨーケム
開発中の多様な新材料を紹介するトーヨーケム
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 最近のこの手の展示会のトレンドは、幾つもの名前を連ねて束ねることのようですが、もし来場者を確保するための方策というのであれば、むしろストレートに「高機能材料」とか「新素材」といった展示会名を前面に出すべきではないでしょうか。その中で、フィルム材料セクションとか金属材料セクションとか分ければスッキリします。

 出展社の方は、その辺りのことは了解しているようで、期待するような来場者が来るのであれば、展示会の名称などあまりこだわっていないことがうかがえます。来場者の方は、その辺りの事情を知ってか知らずか、とにかくたくさんの人が来場しています。ブース間の移動もままならないほど人口密度が高くなっています。

 海外からの来場者もかなり多く、特に韓国や台湾辺りからの訪問者をよく見かけました。台湾企業の場合、出展の方もかなり積極的で、日本メーカーが出展していないような、中小型のディスプレイモジュールとか、フレキシブル基板で、意欲的な展示が見られました。