一見地味だったナノテク展の受付
一見地味だったナノテク展の受付

 2016年1月中旬の「インターネプコン ジャパン」に引き続き、1月27日から3日間、東京ビッグサイトで「nano tech 2016」が開催されました。2015年末の「CEATEC JAPAN」や「SEMICON JAPAN」がかなり低調だったので、多少なりとも心配していたのですが、杞憂でありました。ビッグサイトの東館はほぼ展示ブースで埋め尽くされ、来場者の数も相当なものでありました。人口密度で見れば、インターネプコンに匹敵するレベルだったかと思います。

 全体の展示は、「スマート電力」、「ナノ材料」、「印刷」に分けられるかと思います。「スマート電力」は、今ホットなテーマですので、人も集まっていたのですが、私にとっては専門外ということもあり、ほとんど通過するだけでした。ただ、電力会社やガス会社などの従来のエネルギー産業からの出展がたくさんあり、エネルギー源の多様化を肌で感じることができる機会を与えてくれているようです。

 「ナノ材料」は、他に「新機能性材料展」という部門もあり、両者と関連分野を合わせると、全体のほぼ半分に及ぶ規模になります。前者の展示は、比較的アカデミックで、主に基礎研究レベルの材料やプロセスを紹介しています。

 出展者も大手化学メーカーや素材メーカーなどが名を連ねています。多くの大学の他に、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)やAIST(産業技術総合研究所)、理研(理化学研究所)といった研究機関が大きなブースを出しています。

 これまでも、大学の出展がなかったわけではありませんが、展示の見せ方が格段にあか抜けてきています。また、台湾、韓国、タイ、中国、カナダ、スペイン、イタリア、チェコ、イラン、ドイツ、スイス、フランスといった海外からの出展も多く、まさに先端技術の万国博覧会の様相を示しています。

様々なナノ材料を紹介した台湾パビリオン
様々なナノ材料を紹介した台湾パビリオン

 特にドイツのブースは意欲的で、ドイツ企業の紹介だけでなく、盛んにドイツへの進出を促しています。一方、米国は最小限度のブースで、地味なプロモーションです。内容は多岐にわたっています。材料だけでなく、表面処理などでなかなか面白いものが見受けられました。ただ、アカデミックであるだけに、実用化までにはまだ幾つかのハードルを超えることが必要かな、という感じです。