日本のエレクトロニクス業界の一年を締めくくる「SEMICON Japan2016」が、12月14日から3日間、東京ビックサイトで開催されました。低迷が続く日本の半導体産業の動向を見るには良い機会ですので、見学に出かけることにしました。ところが、まず出かける前から、出鼻をくじかれてしまいました。身の回りを見渡したのですが、招待状が見当たらないのです。普通、この手の展示会に一度でも出かけると、その後何年かは招待状が送られて来るものですが、それがないのです。心当たりのある会社の知人に問い合わせてみましたが、やはり見つかりません。

 しかたなく、ネットでホームページを探し、オンライン登録をしました。そのホームページも、お世辞にも使いやすいと言える代物ではありませんでした。私のように、海外から日本に出張してきた技術者やビジネスマンが、ちょっと立ち寄ってみようかと思っても、ホームページにアクセスした段階で挫折してしまいそうな印象です。

 さて、展示会ですが、規模はほぼ昨年と同じくらいでしょうか。かつて幕張メッセで開催されていたピーク時に比べると半分以下になっているかもしれません。私は最終日の昼ごろから出かけたのですが、以前のような喧騒さがありません。それなりに人出はあるのですが、芋の子を洗うような、というほどではありませんでした。

筆者が入場したときは、来場者は少なかった
筆者が入場したときは、来場者は少なかった
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 ブースの説明員と来訪者が活発に議論し合っているような光景もあまり見当たりません。かつて、日本の半導体産業が世界市場を牽引していた頃は、韓国や台湾のメーカーが、調査のために多くの技術者を送り込んできたものですが、そのような光景はほとんど見られません。もう、日本から学ぶことはなくなってしまったかのようです。