2016年12月8日付の日本経済新聞によると、アサヒグループホールディングスは2017年12月期よりROIC(Return on Invested Capital:投下資本利益率)を経営管理指標として本格導入するそうだ。

 経済産業省の「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト最終報告書、いわゆる「伊藤レポート」が「上場企業はROE(株主資本利益率)8%以上をコミットすべき」として以来、多くの企業がROEを重要な指標に掲げる中、アサヒもROE10%以上を目標に掲げている(同プロジェクトの最終報告書)。

 そのアサヒが今、ROICを経営管理指標として用いる狙いは何か。日本ではまだ馴染みが薄いROICについて、今回は少々理論的に解説してみたい。