2017年11月15日付の日本経済新聞朝刊に興味深い記事が出ていた。見出しは「『小さいGE』へ転換」。米General Electric(GE)社が「小さなGE」を目指すという内容だ。

 GEと言えば、コングロマリット(複合的多角化企業)の代表的な成功事例とされてきた企業だ。しかし、前CEO(最高経営責任者)であるJeffrey Immelt氏の時代、既に金融、プラスチック、メディア事業の大半から撤退した。記事によると、Immelt氏の後を受けて2017年8月にCEOに就いたJohn Flannery氏はそれでも足りないと見て、さらなる事業整理に出るというのだ。

規模の拡大を繰り返してきた

 GEの母体は発明王のThomas Edison氏が白熱電灯システムを企業化するため1879年に設立したエジソン電気照明(Edison Electric Light Company)である。同社から発展したEdison General Electric社がライバル企業だったThomson-Houston Electric Company社と合併し、1892年に社名から「エジソン」が取れて現在のGeneral Electric社となった。

 GEは設立経緯から分かる通り、もともと電機メーカーである。だが、積極的な多角化を進めてきたことで、現在は航空機エンジンや医療システムなどの製造業から、金融、放送、情報などのサービス業までを扱う巨大な多国籍コングロマリットとなっている。

 このような多岐にわたる事業をマネジメントするために、世界で初めて事業部制という組織体制を考案したのもGEである。

 GEは業績についても、長年にわたって常にトップクラスを維持し続けてきた。売上高も企業価値もトップクラスの常連であり続けてきた。ところが、最近は必ずしも業績が芳しくない。2017年に入ってからも、業績と株価の低迷に直面している。11月末の時点で株価は年初から40%下落。電力や鉄道事業が不振に陥り、成長性に陰りが出ているのが原因と見られている。