ユニクロで知られるファーストリテイリングが2016年10月13日に発表した2016年度8月期(2015年9月~2016年8月)の連結決算(国際会計基準)は、税引き後の当期純利益が前期比56.3%減の480億円となり、2年ぶりの減益となった(発表資料)。

 2016年10月14日付の読売新聞によれば、上半期(2015年9月~2016年2月)が暖冬だったことや円高の影響もあるが、何より大きな原因は2014年から2015年にかけて2度にわたって実施した実質5~10%の値上による顧客離れのようである。同社の柳井正会長兼社長も10月13日の記者会見で「値上げをすべき時期ではなかった」と、値上げが失敗だったことを認めている。

 今回は製造小売り(SPA)の代表的企業であるファーストリテイリングを例にとって、値上げが業績にどのような影響を与えるかを詳しく解説してみよう。