何かと、会社の規模を気にする人は多い。中には、規模の大小で付き合い方と言うか、応対の度合いを決めているような人もいる。規模とは、事業での売り上げや従業員数、工場や支店の数など、要するに会社の売り上げや組織・構造の大きさ、いわゆる事業規模のことである。

 この事業規模を気にする人は、自社より大きい会社であると引け目を感じるようで、途端に上目づかいになってへりくだるのだが、逆に小さいと下目づかいになって、(無意識に)偉そう踏ん反り返る(ようにする)のである。これは、あくまで私の私見であって、誰もがそうするということではないが、案外、そのような人は多いのである。

 一体、相手の事業規模の大小が、そんなに問題になるのかと思うのだが、どうも、このような心情は一種の本能かもしれない。いつも自社(自分)と比較するのが習慣になってしまったのではなかろうか。

 その原因をたどれば、生まれた時から他の子供と比較され、物心が付けば偏差値や成績順といった順番で比較され、入社した時から出世を競う、そのように比べられたり競争することが日常になってしまったのだ。だから、比べたり比べられたりすることに慣れてしまったのである。

 しかし私は、この比べたり比べられたりすることが嫌で嫌でたまらないのである。