イラスト:ニシハラダイタロウ
イラスト:ニシハラダイタロウ
[画像のクリックで拡大表示]

 セイとは、漢字で書くと「所為」のことである。上の人が言ったことや決めたことが理由になったり原因になったりすることを言う。例えば、「誰かの所為にしてばかり」とか、「歳の所為か疲れるようだ」といったように使う。

 あまり、他人のセイにしてばかりではいけないが、会社の中で何か上手く行かないとき、それは全部社長のセイ。これが私の持論である。

 いきなり、何かあったら社長のセイと言われて、ハイそうですと言う社長が居たら大したものだ。しかも、その本当の意味が分かっているとしたら、大したものを通り越して、ハグしたいくらいに(もちろん、嫌がられるだろうが)素晴らしい社長である。

 なぜ、こんなことを書くかと言うと、最近、本当の社長の役割と言うか、本当の責任が分かっていない、そんな社長を見ることが多いからである。

 どこぞの大手電機メーカーの不正経理事件もそうだが、何かあったときの社長の釈明を聞くと、一体、あなたは本当の社長なのかと聞きたいくらいに他人事。「詳細を調査するよう命じました」とか、「全く以て不徳の致すところ」と言いながら「進退については処理が済んだら考える」とは何事か。

 最近、そんな事件を見るにつけ、一人吠えているのである。