開発とは、ニーズに対応することである。顧客は何が欲しいのか、それが分かれば開発の90%は終わったようなものだ。顧客の欲しいモノやコトが分れば、後はそれを創るだけのことである。
その際、顧客が何でそのようなモノやコトが欲しいのだろうかと、少しばかりの疑問と言うか、その本質を明らかにすることも大事なことではあるまいか。
何が何でも、顧客が欲しいから創ると言うだけでは芸が無い。なぜ、それが欲しいのか、これを知らなければいけないし、ニーズの根源を明らかにしなければ、新しいニーズを察知して俊敏に対応することなど、到底できるはずはない。
その、言わば「なんでそうなるの」という疑問が、素朴であればあるほど、そして、それが 「ウワァー」とか 「ヘエー」といった感動するようなことであれば、最もシンプルな開発の本質に近づくのではないかと、私は思う。ゴチャゴチャした理屈なんて〇〇喰らえ。屁理屈なんてどうでもよいのだ。理屈抜きで、シンプルに感動することが、大事なのである。
なぜなら、ニーズとは潜在的なもので、それは顧客の無意識の中に在る感動であり、それが、現実的な顧客のニーズではあるまいか。
言い換えれば、感動こそが開発の材料であり、原動力なのである。
だから私はいつも、「なんでそうなるの」に拘るのである。いつも、「なぜ?」「どうして?」と、普段、見過ごしてしまうようなどうでもよい(ような)ことに疑問を持ち、拘ることによって、開発の原動力をもらうのである。
時に、とびっきりの「なんでそうなるの」に出会うと感動することがある。