企業が開発に取り組む動機は様々だ。そして、開発が上手くいくと新事業や新商品が生まれ、自ずと売り上げも増えて事業規模は大きくなる。

 しかしそれは、必ずしも、新事業や新商品を開発すれば売り上げや事業規模が大きくなるということではない。

 よく見ると、開発に取り組む動機と言うか、物事に取り組むときの想いや願望の姿勢で、後の成否が決まるのではないだろうか。

 さて、開発に取り組む動機で一番多いのは、新分野への進出ということだ。そして、開発が上手くいけば売り上げや事業規模も大きくなる。

 一方、いやいやとは言わないが、取引先から頼まれて新事業開発に取り組み、気が付いたら大きくなっていたという企業もある。自ら積極的に取り組んだわけではないが、結果オーライと言うことだ。

 また、他社の事業を引き継いだり、親会社から押し付けられたり、やれと言われてやったという素直な動機もある。それを、望んだ開発とは言わないのかも知れないが、結果は新しいことに取り組んだということで、これも結果オーライだ。

 このように、開発の動機は実に様々、十社十色であるが、比較的上手くいっている(堅実に成長した)企業には共通性があるようだ。

 それは、開発に取り組む姿勢が自然体なのである。特別に頑張っているわけでもなく、そうかといって手を抜くわけでもない。当然、最初の動機も特別に高揚することでもなく、無理をしない自然な開発をしている企業である。

 それを言い換えれば、ガツガツしないということだ。比較的上手くいっている企業は、ガツガツしない開発をして、気が付けば、売り上げや事業規模が大きくなったのである。

 こうして考えると、どうも、開発というのはガツガツしないと上手くいくようだ。

 先日、お邪魔したメーカーもそうだった。