イラスト:ニシハラダイタロウ
イラスト:ニシハラダイタロウ
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 このあいだ、二兎を追ってもいいじゃないかと書いたが、今回はウサギではなくてドジョウの話である。そして、同じ二匹でも、ドジョウの二匹目はいないのだ。

 この話、いつから語られているか、それは知らない。しかし、二匹目のドジョウはいないと久しく言われているのに、二匹目がいて、しかも、容易に捕まえることができると思う人がいる。

 TVのドラマやCMなどでよくあることだが、ドラマやCMがウケると、そっくりとまでは言わないが同じような調子のドラマやCMが続くようになるではないか。

 それを「パクリ」とまでは言わないが、同じようにウケたいと、まさに二匹目のドジョウを狙うのである。

 しかし、それを見ている視聴者の受け取り方を考えるなら、いかにも見え見えの二匹目狙いは、かえって逆効果ではなかろうか。最初にウケたドラマやCMにオリジナリティーがある訳で、それと同じ調子のドラマやCMをつくること自体、興ざめするのである。

 結果、場合によってはスポンサーに対しても、愛想尽かしではないけれど、裏切られた気持ちになってしまうこともある。