1人ひとりがメーカーになる

未来調達研究所取締役の坂口孝則氏
未来調達研究所取締役の坂口孝則氏
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 続いて、未来調達研究所の坂口氏が「マスカスタマイゼーション」というテーマで講演した。同氏は、かつて複数のメーカーで調達・購買業務に携わった経験を生かし、調達・購買を中心に幅広い分野のコンサルティングを手掛けている他、経営評論家としても活躍している。マスカスタマイゼーションとは、大量生産品と同等の効率で多様なカスタマイズ品を造ることであり、前出のインダストリー4.0などでも製造業が目指すべきビジネスモデルとして言及されている。

 坂口氏によれば、今後は「微量・一品生産」の時代になるという。「YouTube」のような動画プラットフォームの登場によって多くの人が動画を自分で作成・発信するようになったのと同様、3Dプリンターのような新しい生産手段の登場によってこれからは消費者1人ひとりがメーカーになる。それがマスカスタマイゼーションの本質というわけだ。

 実際、マスカスタマイゼーションの実現に向けて多くの分野で変革の兆しが現れているという。その具体的な分野として、坂口氏は、[1]部材選定、[2]受注、[3]運搬、を挙げた。