アスクル 代表取締役社長 兼 CEOの岩田彰一郎氏
アスクル 代表取締役社長 兼 CEOの岩田彰一郎氏
[画像のクリックで拡大表示]

 「アマゾン(米Amazon.com社)に伍(ご)していくために、我々はテクノロジーカンパニーになる」――。2016年6月下旬、個人向けインターネット通販の新サービスを発表する場で、アスクル代表取締役社長 兼 CEOの岩田彰一郎氏はこう力強く宣言した。その同社が重視する技術の1つが、「ロボティクス」である。

 北関東・甲信地方を中心に東日本全域への配送を手掛けるアスクルの物流センター「ASKUL Logi PARK首都圏」(埼玉県三芳町)。その一角で2台の垂直多関節型ロボットが稼働していた。コンベヤーラインを流れてきた箱からロボットが商品を取り出し、別の箱に移し替えていく。現状はあくまでデモンストレーションの域を出ないが、将来的に顧客が注文した商品の箱詰めをロボットにさせる狙いだ。

商品の箱詰めをするロボット
商品の箱詰めをするロボット
[画像のクリックで拡大表示]

 「物流センターの業務は、ほぼ自動化されている。だが、商品を棚から取って箱に詰めるピッキング業務だけは自動化が進んでこなかった」。ロボット導入プロジェクトの推進役を担う池田和幸氏(アスクル イノベーション・オフィサー 執行役員 ECR本部統括部長)はこう語る。同社の取り組みは、まさにこのピッキング業務を自動化しようというものである。