偶然だが、FBTプランニング代表取締役である久塚智明さんの食関連の資料を拝読した。地域特産品の栄養・機能価値の発見と、その特性が最も高く評価される商品設計の考案に留まらず、その具体的な製造技術の指導にまで及んでいた。その専門性と俯瞰性に基づく深く広範な見識に感心した。なぜ久塚さんはここまでの見識を獲得できたのか。資料の著者紹介に書かれていた「農学博士、技術士、調理師、惣菜管理士1級」という肩書きから少し分かった気もする。ただ、その中の1つだけでも大変のになぜ4つもの資格を取得できたのか、さらに4つもの資格があれば何ができるのか、などが「謎」として頭に残っていた。その後、たまたま、久塚さんとお会いする機会があったので、今回は、そうした謎を解きながら、そのときの話の内容について紹介したい。

農学博士、技術士、調理師、惣菜管理士1級とは

 農学博士がやっていることはある程度分かるが、他の3つは名前から推測するしかできなかったので、「ウィキペディア」で調べてみた。以下は、その抜粋だ。

農学博士:博士の学位であり、農学(食品、畜産、園芸、農業、林業など)に関する専攻分野を修めることによって、授与されるものである

技術士:科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導の業務を行う者をいう

調理師:調理師法に基づき調理、栄養及び衛生に関して調理師たるに必要な知識及び技能を修得した有資格者を指す

惣菜管理士1級:食品に関する基礎から専門知識までの総合的な修得を目的に、1993年から年1回、食品に関する通信研修および資格試験を実施し「惣菜管理士」を認定する。資格は三級から一級まで3段階あり

 この4つの資格は、農学または工学または食をカバーし、いずれも十分な専門性を持つものである。それにもかかわらず、久塚さんはなんと現在4つもの資格を保有している。