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技術者のカフェタイム 食文化とハイテク

中華料理からみる中華スマホ

  • 徐 航明=日経テクノロジーオンライン特約ライター
  • 2017/05/12 05:00
  • 1/3ページ

 近年、格安なスマートフォン(格安スマホ)の人気がますます高まっている。中でも、中国Huawei社(華為)に代表される「中華スマホ」と呼ばれる中国製のスマホが売れている。筆者は中華スマホを使っていないが、それらに関する記事を読んだときやスマホを取り扱う店でそれらを見たときは、いつもなぜかすぐに中華料理を思い出す。中華スマホと中華料理の間には何らかのつながりがあると感じている。今回、その比較からの感想を書きたい。

中華料理の再認識

 日本に来て初めて中華料理店に行った後、もう一度行こうとはなかなか思えなかった。やはり、見た目も、味も、本場と違った。しかし、日本での滞在期間が長くなったころ、ふと中華料理を再認識した。

 中華料理は本場中国の味をアレンジした料理と言われる。その代表は、ラーメンと焼き餃子だ。ラーメンは言うまでもないが、世界的に広がっている。焼き餃子も徐々に日本以外の国でも受け入れられるようになってきている。日本に来た当初、正直なところ、焼き餃子にはあまり関心がなかった、きっと美味しくないだろうと思い込んでいたからだ。

 なぜそう思ったかというと、中国の家庭では、前日に残った水餃子を次の日に焼いて食べるという習慣がある。これが中国人にとっての焼き餃子のイメージである。また、中国では、焼き餃子と似ている食べ物がある。それは「水煎餃」とか「鍋貼」と呼ばれる、大きな平たいだ鍋で焼いたものだ。皮が厚く油っぽい。そのため、焼いた後の食感が水餃子のもちもちの食感に劣り、たまに食べるのは良いが、頻繁に食べる物ではない。水餃子に親しんだ中国人は、水餃子と比べて焼き餃子はそれほど美味しくないと思っている人が多い。

 しかし、日本に長年滞在してきた筆者は、今では日本の焼き餃子は美味しいと思っている。日本の焼き餃子は、中国の水餃子と比べて3つの新規性を持っている。
(1)煮るのではなく焼くこと。つまり、作り方、いわゆる「工程」が違う
(2)もちもちではなくパリパリの食感。「部品」となる皮は、水餃子と比べて非常に薄い
(3)主食ではなく、おかずやつまみとして数個ぐらい食べる。食べ方が違う

 その背景には、米をメインとする日本の食文化がある。日本の焼き餃子は、そうした食文化に合わせて、大衆的で安いおかずやつまみとしてアレンジされたとされる。日本式の焼き餃子は、ともすると水餃子と似ていると見られがちだが、実はそれまでの餃子の世界にはなかった新しいジャンルのものだ。水餃子とは大きく異なる新たな価値と感動を我々に与えたのだ。

 日本だけではなく、餃子の本場である中国でも、焼き餃子は徐々に認知されるようになってきている。「味千ラーメン」の中国の店舗では、日本式の焼き餃子が人気を博している。その美味しさが、水餃子や中国式の焼き餃子に慣れた中国の人々を魅力し始めているのだ。また、フランスのパリでは、焼き餃子とビールがメインとなる「GYOZA BAR」もオープンした。美味しさに加え安価であることから、焼き餃子は庶民的な料理として定着しつつある。

 焼き餃子をはじめ、中華料理への先入観に筆者は反省している。同時に、日本の料理人が、日本の食文化に合わせて、食材を上手にアレンジして作った安くてうまい中華料理の魅力に感心している。しかし、日本が得意としているこのような「アレンジ力」がスマホでは再現できていない。

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