「時間が止まった!」。台湾産の電気釜を見かけたときに、思わずそのような言葉が頭に浮かんだ。それは、2015年に大阪のグランフロントで開催された「台湾精品展」((精品=優れた製品)に訪れた時のことだった。

 その日、筆者はその展示会を見て回っていた。そして、その電気釜が目に入ったのは、なかなか驚くものに出合えないと感じていたときだった。炊飯器らしい家電が目に飛び込んできたのだ。筆者は手で触って確認してみた。そして、間違いなくご飯を炊くものだと確信した。製品名を見ると「大同電気釜」と書かれていた。筆者は、その特徴を説明員に尋ねた。

 その電気釜を展示していたのは台湾の大同会社という企業だった。その企業の説明員によると、これは台湾では「電鍋」と呼ばれる調理家電。炊く、蒸す、煮込む、温めるといったことができるという。操作もとても簡単な様子で、中には2つの釜が入っている。外釜に適量の水を入れてスイッチを入れると水が沸騰し、内釜に入れた食材が加熱される仕組みだ。水がなくなるとスイッチが自動でオフになって、料理が出来上がる。いわゆる、間接加熱の技術が使われている。

「台湾精品展」で展示された電気釜
「台湾精品展」で展示された電気釜
東芝未来科学館で展示された日本初の電気釜
東芝未来科学館で展示された日本初の電気釜
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