B級グルメとは、ぜいたくではなく安くて庶民的でありながらおいしいと評価される料理だ。ご当地ラーメン、ご当地カレーライスなど、地域ごとにある特徴を持たせたさまざまな料理が登場している。B級グルメの代表格とも言えるラーメンなどは、日本国内に限らず、世界中に広がりを見せている。なぜB級グルメが世界各国で受け入れられるのか、味や値段以外に原因がないか探ったところ、B級グルメはIT業界ではよく採用されているプラットフォーム戦略と共通性を持っていることに気づいた。今回はそれについて、考察してみる。

B級グルメ

 B級グルメは、1980年代から使われるようになっている用語・概念だが、そのような料理は昔も存在していた。一般に、B級グルメには以下のような特徴がある。
(1)ローカルの食材、気候、地理、文化に合う
(2)おいしい
(3)シンプル、安い

 具体的に言うと、どんぶり、お好み焼き、カレーライス、ラーメン、焼き餃子などがある。B級グルメは、ご当地グルメという言葉とも密に関連している。その土地の食材を使って、その土地の食文化の影響を受けて作られた料理。例えば、ラーメンには熊本ラーメン、札幌ラーメンなど、焼き餃子には浜松餃子、宇都宮餃子など、枚挙にいとまがない。

大阪の万博記念公園で開催された「ラーメンEXPO」
大阪の万博記念公園で開催された「ラーメンEXPO」
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 B級グルメは日本食を対象としているが、世界を見渡すと、日本のB級グルメに相当する料理も少なくない。例えば、英国のサンドイッチ、米国のハンバーガー、韓国のチジミ、なども日本のB級グルメと同じ特徴を持ち、他国の食文化への適合性も高く、世界中に広がっている。