以前、日経メディカル Onlineのアンケートで医師3322人に「『ニセ医学』と聞いて思い浮かぶもの」を聞いたところ、最も多かったのは「広告過剰なサプリ/健康食品」だった(「ニセ医学」と聞いて思い浮かぶのはアレ)。患者が持参したサプリメントや健康食品を外来で見た経験のある医師は少なくないだろう。

 健康食品を摂取することは個人の自由だ。しかし、患者をだますような広告を打って健康被害を与えたり、依存させて標準医療から離してしまうような製品は、「ニセ医学」の誹りを受けることになるだろう。

 国民生活センターは今年7月、「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品について、安易な摂取を控えるよう注意喚起を行った。プエラリア・ミリフィカとは、ある植物の貯蔵根のこと。これを原材料とし、バストアップなどの美容効果をうたう健康食品が数種類発売されている。これを摂取した結果、消化器障害や皮膚障害といった他の健康食品でも起こる頻度が高い有害事象や、月経不順や不正出血といった女性特有の有害事象が起きたと考えられるケースがあり、今回の注意喚起につながった。同様に、健康食品による健康被害は、これまでにもたびたび起きている。

 最近、こうしたサプリメントや健康食品の「過剰な広告」をさらに規制する動きが出てきている。