日本では、わずか数十人が活動しているのみだという、「メディカルイラストレーター」と呼ばれる専門職をご存じでしょうか?

 日経デジタルヘルスの2016年4月アクセスランキングで2位に入った記事「医学と人をアートでつなぐ」では、日本で唯一の“獣医師資格を持つメディカルイラストレーター”として活躍しているtokco氏を取り上げました。

 写真や動画が駆使できる今、イラストである必要性はあるのか?――。例えば、手術の術式をビジュアルで表現したい場合に、手術中に撮影した動画をそのまま見せても伝わらないとtokco氏はいいます。血だらけの映像になってしまうため、細かい部位が分かりにくく、執刀医のどの動きが手技上のポイントになっているかも分かりにくいからだそうです。

 このインタビューからは、デジタル技術が全盛の中で、イラストというある種のアナログ技術の存在意義を再考されられます。

不妊とデジタルヘルス

 WHO(世界保健機関)の調査によると、不妊原因が男性のみにある場合は24%、女性 のみにある場合は41%、男女ともにある場合が24%だそうです。この問題に対してデジタルヘルス的なアプローチを持ち込もうとする話題が、第4位「不妊治療にも人工知能の力」と第10位「セックスの話題をタブー視しない、妊活アプリ世界席巻」、第13位「スマホで精子の濃度を計測、自宅で手軽に」にランクインしました。デジタルヘルスの一つのターゲットとして、今後、この領域の話題はますます多くなりそうです。

 その他、今回のランキングには、4月から新たに編集部に加わった伊藤記者の記事が、第3位「歯みがきビッグデータ、始まる」や第5位「人の肌が“生体情報を映すディスプレー”に」、第8位「 1拍ごとの血圧を手首だけで測定、オムロン ヘルスケア」などにランクインしました。読者の皆さまには、これから取材などでお世話になることもあるかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。