コンピューターの進化に伴い、多くの業界ではビジネスのプロセスが抜本的に変わったのですが、製薬業界ではそれは起こりませんでした。ここ20年ほどの間、治験に関する基本的なアイデアは何も変わっていないとも言えます。今初めて、ビジネスのプロセスを抜本的に見直そうという動きが、製薬業界でも起ころうとしている――。

 日経デジタルヘルスの2016年1月アクセスランキングで1位になったインタビュー記事「製薬業界は『空前のイノベーション』のさなかにある」では、メディデータ・ソリューションズ アジアパシフィック統括責任者 社長の山本武氏がこう語っています。

 13位にランクインした記事「製薬業界×デジタルヘルス、始まる」で筆者が記したように、製薬業界とデジタルヘルスの距離が今、近付きつつあります。背景には、冒頭の山本氏の発言にもある、製薬業界を取り巻く大きな変化があります。

 その詳細は、これらの記事に譲りますが、この流れは新たなビジネスチャンスを大いに含んでいることは間違いないでしょう。例えば、その“出口”に悪戦苦闘しているウエアラブル端末の突破口が、製薬業界になる可能性もありそうです。

 一方、2位4位8位にランクインするなど、やはり読者の関心を大きく集めたのが、東芝メディカルシステムズの売却関連の話題。東芝は先週、東芝メディカルシステムズの売却が「報道より高額」との見通しに加え、ヘルスケア社の廃止やヘルスケア事業での人員削減などを発表しました。同時に、ウエアラブル端末事業のグループ外移管の検討も明らかにしました。移管するとしてもグループ内に残るとしても、その“出口”を見つけることは急務になりそうです。