シンポジウムのパンフレット
シンポジウムのパンフレット
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 東京・調布市にある電気通信大学(福田喬学長)は、2015年11月26日、「ライフサポート分野における医療機器開発の実践」と題するシンポジウムを開催した。理工科系の大学でありながら、医療・福祉の発展を目指して設立した「脳科学ライフサポート研究センター(BLSC、Brain Science Inspired Life Support Research Center)」が、日本医工ものづくりコモンズ(北島政樹理事長)と共催したシンポジウムだ。その中から見えた、同センターの医工連携の取り組みについて紹介したい。

取り組みのユニークさが目を引く

 BLSCは2013年4月に発足した研究センターであり、比較的歴史が浅い。ところが、本シンポジウムを通して明らかになった取り組みには、ほかに見られない特徴を有していることが分かった。

 同大学の中心が理工学研究であることは、大学名からも明瞭だ。ところが、本研究センターは、脳科学という、いわゆるME(Medical Engineering、医用工学)の中心テーマを標榜しており、まさしく医学との境界領域を扱っている。興味を引かれるのは、同大学内には医学部が存在しないこと。なぜそういう位置付けの大学内に? というのが最初の疑問だ。

 ところが、その疑問への回答は、図らずもこのシンポジウムの中に隠されていた。