薬機法上の緊急課題解決を目指して

 本来、薬機法の根本には、機器の不具合や故障を少なくし、「回収・改修」を最小限に食い止める目的がある。それなのになぜこれほどまでに件数が多いのか、問題解決のための「実情把握」から始める必要がある。

 前述の目標を掲げてはみたが、そう単純に解決できる課題ではなさそうだ。だからといって放っておいては、問題解決にならない。

 結論的なものを急ぐつもりはないが、現時点での問題点と思われるところをいくつか列記しておきたい。

■添付文書、梱包・表示も医療機器の一部とされ、法定表示のミスが許されない
■医療機器が多品種少量だという特質が法規上に考慮されていない
(法規制が多すぎて、中小企業の法規担当レベルでは全てを把握することが困難)
■法規制突破のための手続、審査が複雑多岐にわたっている
■医療機器開発が「法律クリア」のための努力に費やされ、本来の実務以外の管理業務に費やされる
■業界側にしてみても、薬機法をクリアしさえすればそれで済むと考えないほうが良い、QMSの本質的な問題点が何なのかを追求するための方針転換をすべき

 今回の指摘は、速報的な要素を重視しているため、実際上の問題点をさらに追求する必要がある。それにもまして、今、こうした問題認識が必要であり、手の付けられるところから対応すべき体制づくりが求められる。

 まずは回収理由を分析し、‟必須な回収”と‟不必要な回収”に分類してみてはどうだろう。そのうえで、実質的に‟不必要な回収”については、例えば書面通知のみで済ませるような仕組みづくりがあれば、官民ともに大幅に負担が減ると考えられる。