11月に開催されたアナリスト向け決算・経営説明会で、米サンパワー(SunPower)社で最高経営責任者(CEO)を務めるTom Werner氏は「ソーラー産業は2020年までに2000億ドルの市場になる」と語り、今後の同社の事業戦略を発表した。

 同社は、世界最高の変換効率を誇ったバックコンタクト方式の太陽光パネルの製造・供給で知られる世界的メーカーだが、太陽光発電所のEPC(設計・調達・施工)サービス、さらにO&M(運営・保守)も手掛けている。

 加えて、過去1年の間に太陽光関連の新興ベンチャーなど3社を次々と買収し、新しい製造技術を手に入れるとともに、業務や住宅用での製品戦略を強化している。パネル製造と大規模システムから、戦略的に事業領域を拡大している。

「屋根瓦のよう」な製造技術で発電量を増やす

 サンパワー社は数カ月前に買収した米コジェンラ(Cogenra)社のテクノロジーを使い、新しいタイプのパネルをラインアップに加えた。コジェンラ社はスタートアップ企業で、太陽光と太陽熱のハイブリッドシステムに関する研究開発から始まり、「低集光型太陽光発電(LCPV:Low-concentrated photovoltaic)」「セルの新しい製造工程」、そして「1軸追尾架台システム」の開発にも手を広げた。

 「新しい製造工程」とは、セルを「積み重ね」によって接続するのもで、従来のようにセルとセルを平板状の銅線でできた接続線(バスバー電極)で繋がない。Werner氏はこの製法を「屋根の瓦のよう」と表現していた(図1)。

図1●従来の多結晶太陽電池セル接続方とPシリーズのセル積み重ね式の比較(出所:サンパワー社)
図1●従来の多結晶太陽電池セル接続方とPシリーズのセル積み重ね式の比較(出所:サンパワー社)
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