コストアップでも「カーポート」が主流

 州別の導入量を見てみると、最も多いのはカリフォルニア州で、合計出力489MWの太陽光発電システムが1946の学校に導入された。次いで、ニュージャージー州、アリゾナ州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州がトップ5となっている。

 トップ5は全米設置量の87%を占める。トップ5以外では、ネバダ州が米国で最も高い導入率で、同州全体の23%に当たる学校に太陽光発電が導入済みである(図2)。

図2●州別の小中高等学校・太陽光発電導入容量
図2●州別の小中高等学校・太陽光発電導入容量
(累積出力・MW)(青の色が濃いほど設置容量が高い)(出所:Solar Foundation)

 学校への太陽光発電システムが拡大した背景には、コストの低下がある。

 過去10年で学校に設置された太陽光発電システムのコストは67%下がり、2016年単年でも19%も下がった。2012年に出力200kWのシステムを導入するのにかかった同じコストで、現在は500kWのシステムを導入できるという。

 図3は、学校に導入された太陽光発電のシステムコストと非住宅用のシステムのコストを比較したもの。

 学校向けのコストが高いのは、駐車場に設置されたソーラーカーポートが従来の屋根置きシステムよりコスト高になっているからである。これは、主にカリフォルニア州で導入されている(図3)。

図3●学校用(青線)と非住宅用(オレンジ)に設置された太陽光発電と平均コスト比較
図3●学校用(青線)と非住宅用(オレンジ)に設置された太陽光発電と平均コスト比較
(出所:Solar Foundation)