テスラによるソーラーシティの買収が可決

 先週(11月17日)米テスラモーターズ株主総会において、「圧倒的な賛成で」米ソーラーシティ(SolarCity)の買収が可決された。

 テスラでCEO(最高経営責任者)を務め、ソーラーシティの代表取締役会長も務めるイーロン・マスク氏はこの買収に関わる総会で議決権を放棄したにもかかわらず、約85%が23億米ドルの買収に賛意を示した。

 マスク氏は可決後、「(テスラ株主の)確信は報われるでしょう」と、新しいエネルギー会社の統合を祝った。

 テスラの買収で報道が増えたソーラーシティだが、同社のビジネスモデルには陰りも見え始めている。

 ソーラーシティは「初期費用なし、電気料金即削減」という 「第3者所有(Third-Party Ownership:TPO)モデル」で急成長し、2015年には米国住宅用太陽光発電市場の3分の1以上のシェアを占めた(図1)。

図1●住宅用太陽光発電市場における州別TPO浸透率
図1●住宅用太陽光発電市場における州別TPO浸透率
(出所:National Renewable Energy Laboratory)
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 しかし、ここに来て同社の市場シェアが下がり始めている。理由の一つは、成長の原動力だった 第三者所有モデルの利用が減っていることだ。

 TPOモデルは、ソーラーシティのような販売・施工とファイナンスを統合したソーラープロバイダーが、太陽光発電システムを顧客に無料で提供し、家庭の屋根に設置する。そして、太陽光発電システムから発電される電力を消費者に 従来の電力会社の電気料金単価より低い値段で販売するものだ。