ハワイ諸島の最北端に位置するカウアイ島では今までの常識を覆すようなことが起っている。

 通常、需要ピーク時の需給バランスは、急な変化に対応できる輸入化石燃料による火力発電により調節される。ただ、石油火力は発電コストが相対的に高い。そこで、電力の供給コスト低減のため、夜間の電力割引などを通じて電力需要が最大になる昼間の需要を他の時間帯にシフトさせる「ピークシフト」が、推進されてきた。

 しかし、カウアイ島では、午前9時から午後3時までの電気単価が夜間より「安い」のである。その理由はなんと太陽光発電にある。

 カウアイ島をサービス管轄に持つ非営利協同組合運営の電力会社Kauai Island Utility Coop(KIUC)社は、ハワイ州で最大規模となる太陽光パネル出力14.5MW(連系出力12MW)のメガソーラーを今月初めに運転開始した(図1

図1●ハワイ州最大規模のメガソーラー。パネル容量は14.5MW(出所:REC Solar社)
図1●ハワイ州最大規模のメガソーラー。パネル容量は14.5MW(出所:REC Solar社)
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